金春屋ゴメス 因果の刀 西條奈加 推し本の感想レビュー備忘録。江戸大火。

日本ファンタジーノベル大賞を、金春屋ゴメスで受賞。

それ以来の推し作家さんの作品です。

金春屋ゴメスシリーズとしては3冊め。

二冊めの、阿片事件の黒幕、って思われた政治家が登場する本作

面白かった~。

ネタバレ注意。

金春屋ゴメス 因果の刀 (新潮文庫nex(ネックス)) [ 西條 奈加 ]

西條奈加 | 推し本探ブロ (veteranmama.com)

本作は、江戸国、という鎖国中の現代世界のお話で

だから、ファンタジーなんですが

奉行とか出島とか、いろいろ江戸時代なので

カテゴ的には、時代劇、にしてます。

ゴメスというのは、巨漢の女性で

この人がもんのすごいチートです。ハイスペック。

ですが、気性も荒いし、力もすごくて「鬼」呼ばわりされてます。

ここを飲み込んじゃえば、サクッとこの世界に入れます。

江戸国は、日本国から独立した鎖国の地域であり

江戸城には将軍様がいるし、いろいろは江戸設定を借りてまして

日本国からの移住には、けっこうむずかしい枷があります。

それを乗り越えて移住するか、江戸国で出生するか、が住人です。

そして、前作の阿片が江戸国から流れて大騒ぎ、事件を受けて

日本国から査察が入る、ってのが本作。

前の話を知らなくても、ちゃんとついてこれますが

(私も前作を読んでますが、ほとんど忘れてる)

この査察の中に、日本での大御所議員の印西ってのがいる。

江戸の建国にも助力しながら、自分が将軍になれない、ってことで

日本に戻ったという、権勢欲と名誉欲の塊みたいな爺様で

この人には、天才と呼ばれる美女の娘・ネオってのがいる。

で、この天才美女は、やっぱり天才のゴメスと出会って

自分が非才であると打ちのめされた過去があるらしい。

今回は、阿片を流出させて不届きなので

江戸を解体すべきってことなんですが

まぁ、そうはならない。

お互いわかっていての茶番劇なんですが

実は、江戸国の地下に、かなりのレアメタルが埋まっているらしく

これを日本国がゲットすることで、世界的な日本の地位を上げよう、って話が

あるらしい。

地面に埋まっているから、人をどかし、江戸を解体し、なんてことが

許されるはずはないんだけど、印西議員が殺されて、その殺人容疑がゴメスにかかり

ゴメスが隔離された、ってことから、印西の影に隠れていた黒幕が動き出します。

人を動かすなら、大火にして焼き払えばいい、という明暦の大火、みたいな発想が実行され、ゴメスの予感で予防されますが

やはり完全に防ぐことはできず、江戸は焼け野原

ただし、人命は避難できるなか

印西を殺した真犯人にして、ほんとうの黒幕がゴメスと対決

ゴメスの勝利で、本作終了です。

一応、真犯人は伏せてありますが

途中で読んでてわかります(^^)が、分かった後も

がっつり読み切らせる筆力はさすがですね~。

とっても面白かったので、是非。

金春屋ゴメス 因果の刀posted with ヨメレバ西條 奈加 新潮社 2023年07月28日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle

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