江戸川乱歩賞の受賞作は、けっこうおもしろい作品が多いのですが
本作は、重版が出てますね。
あとがきを読むと、受賞時とタイトルがまるっきり替わってました。(^^)
受賞作、最初の方がごたついてる、って選評があって
書籍化されるときに、ブラッシュアップはしたんでしょうが
本作でも、プロローグからしばらくは、登場人物とかが次々列記状態で
夫なんかは「よくわからんかった」と言ってましたし
私も、付箋つけながら読みました(^^;)
それでも、途中で投げ捨てずに読み切らせるだけの疾走感が
後半に向けて盛りだくさんで、読後感は「面白かった!」でした。
道警の女性刑事もの。
2巻も出たら、読みたいです(^^)
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博士号までとったのに、恋人がアカハラ?で自殺したことから
学会への道に愛想がつきた沢村依理子。
奨学金も返さないといけないし、就職を焦っていたら、警察学校への試験にトップ入学。警官となり、早くも刑事(警部補)となります。
職場の先輩に、有能な瀧本刑事がついてくれて
刑事のノウハウを教えてもらう予定でしたが
瀧本をふくめ、道警の総力で扱った、幼女誘拐事件、で誘拐後、見つからなかった幼女・ひなたが、死体となって発見されます。
沢村は、そこの帳場に配置されますが、いろいろあって、外されました・・。
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その後、他の部署へと配置された沢村は
その学歴から、ノンキャリながら、上に進むだろうと思われるような人事で動いてますが
誘拐事件時の資料が流出した、って事件が起きます。
で、後ろ盾のない沢村が、スケープゴートにされそうになりますが・・。
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この事件では、身代金を受け取りに来た犯人が
応援で所轄から回された警官が、ちょっと手を離したすきにホームに転落
死亡する、って事件があって
新聞記事に、その警官の勇み足だ、って載って、警官が拳銃自殺したりします。
そして、誘拐された幼女の足取りを追う時に
男に誘拐された幼女、としての男+幼女のほかに
女+幼女、の二人組が3組いたりする。
漏洩の犯人だとされた沢村は、漏洩ネタの元が
先輩刑事だった、ってことに気づき
彼がなぜそれをしたか、ってことから
幼女+女、の足取りをさぐるわけです。
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これは、読んでるうちにすぐわかるんですが。
幼女と、誘拐された女の子、二人とも、すでに殺されてます。
誰が、なぜ。
そして、なぜ誘拐されなければならなかったのか。
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犯人の性格も彫り込まれていきますし
沢村が、犯人を追い込んでいく描写も
ムリがなくて、納得できました。
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沢村の、父や妹との関係や
警察内での、先輩や同期などなど、人とのかかわりも
後半になると、すっきりして魅力的でした。
とってもおススメなので、是非、購入して読んでみてくださいませ。
北緯43度のコールドケースposted with ヨメレバ伏尾 美紀 講談社 2021年10月06日頃 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle
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