推し本。作家買いです。
文芸春秋に連載されたものを
上下、一気に発刊です
面白かったな~(^^)
映画化が決定いたしました。
ネタバレ注意
浅田次郎 | 推し本探ブロ (veteranmama.com)
大名倒産 | 推し本探ブロ (veteranmama.com)
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和泉守殿下城差し止めの事情
12年前過ぎし日の思い出
越後丹生山松平家縁起
悠々閑閑暦日なし
冷や水一椀百万石
中屋敷お蔵内のありさま
本郷元町九尺二間の裏長屋
一狐きゅう三十年
嫁取り手形500両
道中百里五泊七日
おん黒書院しゅうほうの儀
会津道中本陣のうれい
和泉守殿初の国入り
難攻不落天下の要害
ご不在中、江戸表の様子
北の丸ご重役会議
ご領分、錦繍のいろどり
★
長男が急逝
次男は天才庭師だけど領主の頭はなく
三男は故郷で寝た切りの病弱
ってことで、四男の小四郎がお殿様になりました
でも、江戸城に出仕したら
目録が不渡り、って老中さまが言いました
目録だけ渡してお金が届かない
なぜ?って小四郎は冷や汗ですが
老中は小四郎の領地をよく知っていて、金がないからだろう、って
とはいえ、ないですますこともできず
江戸の藩邸に戻ったら
横領でもなく、ただひたすらに金がない、って
★
12年前、下屋敷で間垣の家の子、として育っていた小四郎に
実はお前はお殿様の子、って知らせがはいり
愛して育ててくれた父は領地へ
母は、殿の子を産んだ、ってことでお方様扱いに
育ての父、間垣作兵衛は領地に行くが、その朝
遠くから父を見送る小四郎に気づいて、小さな会釈をしてくれました
うう
浅田次郎のこういうとこ、とってもうまい
泣ける・・
★
さて、小四郎が継ぐ前のこと
長男に移譲しよう、とお殿様が勘定方を呼びつけて
今の領内の借金を告げさせたら
借金25万両、利息は1年に3万両、領地の歳入は1万両ってわかり
長男は卒中か?胃の腑に穴があいたらしくて昏倒して急死となりました
ご隠居となった殿様は(以後、ご隠居と書きます)
計画倒産を画策し、この場合、倒産の責任でお殿様は切腹ですが
その切腹するのは、下女から生まれた小四郎なのね
藩邸の上役と密談して、計画を遂行中です
★
小四郎の藩邸に、水売りが売りにきていて
その男の名前が比留間伝蔵
彼は昔、さる藩の勘定方で、上手に藩の借金を棒引きにしたのち
逐電してました
で、その罪滅ぼしではないけれど、江戸の自分の周りで
困っている人を助けて回っていて
そのアンテナに、小四郎の幼馴染の配下
矢部貞吉と、磯貝平八郎がひっかかりました
で、誰も何も教えてくれない中で
小四郎は比留間を頼りにしていきます
★
小四郎の上のアニサマ、次男の新次郎が
惚れた女性を嫁にもらいたい、って言ってきて
そのためには、先祖伝来の祖霊がやどっている
鎧兜にご挨拶したい、って
頭が若干たりない兄ですが
いきなり殿様の子になった小四郎に優しかったし
今も、真実を見抜く目は持っていて
この兄を幸せにしてやりたい、って小四郎は重臣たちに説きます。
で、そんな小四郎の姿に重役たちが動きまして
質入れではなく、こっそり隠してあった鎧兜をみせて
次男さんは、無事に結婚できそうです
★
ただ、大番頭の娘を嫁にもらう時は
結納金が5000両必要らしく
娘のおうちはホクホクで待ってますが
小四郎サイドとしては、お金がない
それでも、アニサマには幸せになってほしいし
すでにおなかに子供にいるのね
そしたら、小四郎とアニサマが挨拶に行った大番頭は
1年後に結納金を払います、って書状だけで
娘の嫁入りを許してくれました
ここんとこも、とっても上手に描かれてますので
是非是非、本編をお読みください(^^)
★
さて、比留間にアドバイスをもらいに
小四郎自らが長屋に出向きまして
その器のでかさに、比留間は助力を申し出てくれます
★
いよいよお国入りとなった小四郎は
老中に挨拶に行きますが
領地経営のコツの教えを乞うと
節約、収税、殖産興業
この三つである、って
で、小四郎は寺子屋育ちで、すぐに暗算ができるから
薩摩の借金棒引きの話も、老中に聞かされて、すぐに反応できて
そんな若い殿様を、老中は、よきかな、って思って
以降、いろいろ助けてくれます
人徳って大事よね
★
さて、お国入りには大名行列が必要で
そのために、重役がよこした金が40両
比留間のアドバイスで、8代将軍の時の倹約令をとりだして
54人で、9泊10日を、5泊7日で走破、ってことに
★
そんなとき、国入り前最後の江戸城登城で、小四郎は比留間の元の殿様とかかわります
殿様が、脱藩の比留間を罰しようというので
ください、って頼んだ小四郎
お殿様は、他家に仕官したなら手出しせず、好きに使ってくれって
良かったね、比留間様
殺されずに済んだ・・・
★
さていよいよお国入り
54人で走破しようとしたら
大番頭の小池様が、お供するって70人の郎党をつれて
その上、500万両の約束手形も破って捨ててくれました
実は小池様、小四郎の領地の塩じゃけがとっても好きだったのと
江戸を出たことがなかったので、旅をしてみたかったのね
配下も、おんなじみたい(^^)
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さて、会津の本陣にたどり着いた総勢124人
人数が増えたので、ほぼ飲まず食わずの壮絶お国入り
でも、小池さまのとこのは、配下も脳キンだから、けっこう元気です
比留間が勘定を預かってますが、ない袖はふれない、って
本陣さんもびっくりですね
で、ここで、貧乏神が登場です
江戸から憑いてきた貧乏神と
会津にとっつこうとする貧乏神
で、江戸からきたのは、このままお国入りにくっついていきます
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そしてお国入りで、儀礼の鑓払いがあって
なんとその鑓に貧乏神が突かれます
神様だけど、神霊のある鑓だったみたいね
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お国入りした小四郎は
川にいる川役人をみつけて、籠を下りると走り寄ります
間垣の父でした。
美しい描写です
浅田次郎はうまい!
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小四郎には、母と間垣の父の間に、異父弟がいたのね
盲目だから、小四郎のさわりになってはいかぬ、って
領地の寺に預けられて育ちました
名前が正心坊。琵琶の名手です
で、目は見えなくても心眼のきく正心坊が、傷ついた貧乏神に手助けして
薬師如来さまのとこへ連れていくの
薬師如来さまが、改心するなら治してあげる、っていうから
貧乏神は改心を誓います
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さて、ふるさとには三男さんがいます
喜三郎さま
イケメンだけど、体が弱いのね
で、小四郎を心配してくれて
間垣作兵衛がお前が貧乏くじではないかと、心配している、って
実際、計画倒産して、切腹させるためのお殿様だからね
でも、それを言うわけにはいかないの
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そして、鑓の傷の治った貧乏神は
薬師如来との約束通りに改心して
福の神さまたちに、領地に福を授けてくれって頼みます
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って感じで上巻完了
文体も読みやすいし、サクット読めました
ほんと、面白かったです!
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