推し本。
作家買いしたシリーズも5作目。
井原忠政さんの作品では、家康の配下となった「三河雑兵」シリーズが出世作です。
そちらも既刊全部を読んでますが、こちらは秀吉の下での出世作のお話。
信長、家康の配下の話は多々ありますが
秀吉の話はあまり読んだことがなかったので、面白いです。
推し。
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信貴山忠義(北近江合戦心得)(5) 目次
序章、岐路
1,女難の季節
2,梟雄は二度裏切る
3,秀吉、謹慎す
4,信貴山城攻め・・大仏の意趣返し
終章、全軍西へ!
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信貴山忠義(北近江合戦心得)(5) ネタバレ注意
本作の主人公は、元は近江浅井家の重臣の息子でした。
弓の名手で馬も上手。浅井長政にも気に入られていて
落城の時には息子を託されたんですが
色々あって、信長のとこへ若様を差し出す羽目となり
若様は首を切られます
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その後、流れて秀吉の配下となり
秀吉から、弟の長秀の配下となっていきます。
主の規模としては、どんどん小さい領主となっていますが
それなりに頑張ってます。
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浅井家が滅亡したあと
浅井の家臣は、その多くが秀吉の家臣となりました。
この時代は、家臣が主を見限って、主換えをするのは一般的で
秀吉は成り上がりで、出世に人員が追い付かなかったので
浅井家滅亡のあと、その配下をごっそり配下にしてます。
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お市の方は、息子を殺した兄を憎んでますが
実家の叔父が保護者となり、今は信長の長男の信忠が大事にしてくれます。
娘三人と暮らしてますが、容貌は衰えない
秀吉は、できれば正室に、あわよくば一夜妻に、と
まぁ、ここらは育ちの悪さが全開、って感じで書かれている本作です
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与一郎は、秀吉配下では「有名武士」の一人なので
長秀の配下ではありますが、時々、秀吉配下、として信長の周りを走ります
戦場で信長がやばくなると、さくっと助けにいったりもする。
信長は、お気に入りに「あだな」をつけるのが癖らしく
信長から「毒矢」なんて呼ばれたりして、けっこうご不満な与一郎ですが
あだなは親愛の証、勲章、と割り切るのが秀吉です。
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秀吉の手の指が6本、ってのはけっこう有名な史実で
猿、と呼ばれる前は「六つ」と呼ばれていたらしい。
ふむ
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与一郎は、長秀の配下なので、給料が少なく、出世を求める若者に人気もなく
結果、なかなか配下が増えません
それでも、与一郎の腕の中で、満足して死んだ家臣もいる(既刊)
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現在、秀吉は、お市の方と顔なじみの与一郎をお市のとこへ送り
まずは「進物」を盛りだくさん。
これは、寡婦となって娘ぐるみで厄介者になってるお市にはうれしい。
で、与一郎に口頭で、秀吉の妻になってほしい、って言わせます
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さて、お市の侍女の一人が与一郎に惚れてたんですが
与一郎が拒否。結果、他の男の嫁となり、無事に男子も産んだらしいけど
戦死して行き場をなくし、お市のとこに戻ってきたんですね
彼女が、自分の不幸は与一郎が結婚を拒んだから、と逆恨みしてる
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もう一人は、毒矢の名手で乳母の娘もお弦で
彼女は、与一郎が結婚してくれなかったから、他の男のとこへ走り
こちらも男の子を生んで、実家に流れ着きます
与一郎の乳母夫婦は、お弦の息子は与一郎の子だと思って大事に育て
戦場には連れていけない、ってことだけど
今度、与一郎の屋敷の連れ帰ることとなり
自分の子ではないのに、父上、とか呼ばれてなつかれて
いろいろ女難の与一郎です
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という、ホームドラマ的な流れの中で
柴田勝家と上杉家の紛争で、柴田が負けて
織田の戦力が削られる話があり
柴田はお市を正妻にのぞみ、秀吉は情欲でお市を望み
その確執もあって、秀吉が柴田の軍から勝手に抜けて
信長から謹慎を申し付けられ
その間、長浜でどんちゃん騒ぎをする史実が描かれ
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松永久秀が、二度目の裏切りをしたんで
配下は、信長からの報復が怖くて、ぞくぞくと脱走していき
松永の城を調べる与一郎は、そんなスパイ戦みたいな中で
泥棒小僧を一人捕獲して、彼の手引きやいろいろの流れで
松永本人のいる天守閣までたどりつき
松永が平蜘蛛の茶器と爆死心中する直前に対面したりします
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冬の上杉戦は延期となり
松永の始末が終わると
次は中国地方の大大名である毛利と織田の闘いです
毛利攻めのトップは秀吉
さて、これからどうなるか、ってとこで次巻へ
面白い
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posted with ヨメレバ
井原 忠政 小学館 2025年03月06日頃
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