あきない世傳 金と銀(11)風待ち篇 高田郁 推し本の感想レビュー備忘録。 宝暦の大火と相撲取りの浴衣

推し本。大好きなシリーズです。

ただ、主役の幸が、これでもか、って不幸になるからさ~

読むのが嫌になるときもありました。

今回は、逆境をサクサク乗り越えていくので

読んでて痛快でした。

次巻も、こうだといいな(^^)

ネタバレ注意

あきない世傳 金と銀(十一) 風待ち篇 (時代小説文庫) [ 高田 郁 ]

あきない世傳 金と銀(高田郁) | 推し本探ブロ (veteranmama.com)

推しの時代小説レビュー | 推し本探ブロ (veteranmama.com)

1,咲くやこの花

2,十年の辰年

3,日向雨

4,英断

5,万里一空

6,悪手、妙手

7、錦上添花

8,天赦日

9,深川へ

10,土俵際

11,三度の虹

12,触れ太鼓

幸には、実の妹・結がいて

一緒に暮らして、店を守っていたけど

次期当主、に目される賢輔が、自分より幸を好いてる、って知って

姉を裏切り、競争相手に、店の特許(浴衣の柄)を持ち込んで、結婚します。

それでも、五鈴屋の染め物は人気ですけどね。

赤穂浪士討ち入りの年末に、五鈴屋江戸店は開業してまして

その開業記念も、もう8年。

毎年、開業の日に来てくれる、素敵なご夫婦を、店全体で楽しみにしてます。

付け払いではないので、お客様が名乗ってくれないと、名前も住所もわからないのね。

幸のとこには、大阪で、昔兄嫁だった菊栄が居候してます。

商才があるけど、兄嫁と兄に邪険にされたので、江戸で独り立ちするために江戸へきて、幸のとこへ居候しつつ、自分のアイデアの簪を作ってます。

手作りの逸品もので、最初は、江戸のアイコンである、歌舞伎役者につけてもらう予定。

でも、そこへ宝暦の大火が。

吉宗の時代に、火消しやいろいろが充実して

50年近く、大火のないあとだったので、江戸は灰燼します。

菊栄の簪も焼けちゃいまして、受け渡し前の品は、職人が弁償するのが習いですが、菊栄は、職人の生死、ケガを問い、やり直しも自分もちで、と告げて、職人の心をわしづかみにします。

幸は、裏切った唯ではありますが、生死が気になり

情報通である、元夫で、今は井筒屋の三代目となったそうじ、を訪ねます。

そこで、妹の無事を知らされて、ホットするのね。

幸にとって、最後の身内だからね。

唯は、再会した幸に、しょっぱなから悪態をつきます。

ここまでこじれると、すごいよね・・。

唯の店・日本橋音羽屋が、隣の小間物問屋を買い取って、太物(綿)に手をだしていきます。

ちょうど、綿が不作で、それを音羽屋が買い占めるので

幸の属する、浅草太物仲間も大変です。

江戸が火事からの復興の中で

勧進相撲が開かれます。幕府公認だから、櫓が立ちます。

浮きたってますね~。

こんなに相撲が人気だなんて、知らなかったな~

菊栄は、火事の時に消失しないように

井筒屋の倉(漆喰の、焼けない倉)に預かってもらい

客も、運ぶ手代も助けてもらうようです。

昔は犬猿の仲だった、兄嫁とギリの弟でしたが、江戸にでて

昔、おばあさまに教わった商いの道は同じで、仲間意識があるようです。

もちろん、そうじはやり手なので、菊栄の商売に金の匂いがあるからね

音羽屋の悪だくみで、歌舞伎のネタが差し替えられ

菊栄のかんざしお披露目の日が先延ばしになる中

大坂からきた、名代の中村富五郎が、千秋楽の顔見世に、登場し

その髪には菊栄の簪が。

うう、盛り上がる

ここらは是非、本編で堪能してください。

そして、毎年開業の日に来るお客様夫婦が現れず

店のみんなで、宝暦の大火で何かあったのか・・と心配する中

時期を外して現れます。

地方巡業をしていたからだ、って言って、相撲年寄で、勧進相撲の興行に関わる

砥川、と名乗ります。

そして、太物を扱う五鈴屋に

力士たちの浴衣を発注します。

金に糸目はつけぬ、って言われますが

五鈴屋のデザイン担当・賢輔がメインに決めたのが

力士の名前入り浴衣で、これを、浅草の太物仲間全員で、売り出すことに。

音羽屋の買い占めで綿反物がなくなった時には融通し

人気の柄も融通し、今また、相撲浴衣も一緒に広げる

浅草太物は、浅草観音様に恥じない商売が心情で、さらに、五鈴屋は

お伊勢さまの五鈴川からの名前だから、って

みな、誠心誠意ですね

相撲とりの名前入り浴衣は爆発的に売れ

在庫もなくなる寸前で、太物商店たちはホクホクです。

そんな太物仲間に入りたい、って奴がいて

みんなは、今で充分だ、って拒否の構えですが

入りたい、と言ってきたのが、地元で堅実な商売をしていた

絹物の店で、いろいろ理由を聞いて、そこならいいかな、って流れが

そこへ、仲間の総代が、いっそ、太物だけでなく、絹物も扱える仲間にすれば、

五鈴屋への恩返しにもなる、って。

おお、反撃だ~~

あきない世傳 金と銀(十一) 風待ち篇posted with ヨメレバ高田 郁 角川春樹事務所 2021年08月10日頃 楽天ブックスAmazonKindle

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