鼠異聞(上) 新酔いどれ小藤次(17) 佐伯泰英 感想レビュー備忘録。高尾山へ。

人気のシリーズの上下巻

上下一度に出ているので、次巻まで待たないですんで良かった。

今回のお話は、駿太郎という子供世代と

小藤次たち親世代が、上手にかみあっているお話で

読み応えがありました(^^)

おすすめ。

鼠異聞 上 新・酔いどれ小籐次(十七) (文春文庫) [ 佐伯 泰英 ]

1章、妙な客

2章、木彫りの鼠

3章、見習い与力

4章、壮吾の覚悟

5章、府中宿徒然

赤目小藤次が、久慈屋の店先で研ぎ仕事をしてましたら

女ものの、見事な懐剣の研ぎを頼まれました

10両の先払いを支払ってもらっての大仕事です

同じ頃、久慈屋から、例年の高尾山への紙の納品仕事に

ご一緒して欲しい、って依頼が

久慈屋には恩がありますので

小藤次は、すんなり受け入れます

で、駿太郎も、社会勉強兼ねてつれていくことになりますが

それを聞きつけた、道場の仲間たちが「一緒に行きたい」って

さて、ちまたでは、貧乏人に小銭をまいてあるく「義賊」が現れてました

もらった人たちが、黙っているので、事件性、とはなってないんですが

庶民の中に、噂は広まる

で、瓦版屋の空蔵あたりが、取材してますが

なかなか裏がとれないようです

駿太郎を桃井道場に入れたのは

大人ばかりの中で育って、いびつになってはいけない、っていう

小藤次の親心でしたので

子どもたちを連れていく、集団の中に駿太郎をおいてみる、っていうのは

小藤次としても、やぶさかではない

で、同時に

小藤次に傾倒している、駿太郎たち年少組の兄にあたる

壮吾が、まぁ、くちがたちまして、自分が子供組をまとめる

ってことにして、ちゃっかり、小藤次のごよう旅に便乗してきます

もちろん、小藤次が許可をだし

見習いとはいえ、将来有望株で、間もなく与力になる宗吾が一緒なら、って

久慈屋にいなやはないわけです

この時代は「旅行」なんてできませんし

駿太郎の同期たちは、ほぼほぼ次男、三男の冷や飯くいなのね

だから、江戸の外に大手を振ってでられる!ってだけで、テンションマックスです

ですが、そこは駿太郎

紙を大八車にのっけての旅ですからね、子供たちにも、台車を押す、っていう

練習をさせます

江戸は坂の多い町なので、坂道を押す、って仕事がありまして

駿太郎は、知り合いのおじさんのとこに子供たちを連れていき

お代はいらないから、って押させるのね

駿太郎は体がでかいけど、普通の13歳って、今でいう満で11~12歳

ほぼほぼ小学六年生から中一くらいだから

まぁ、ふらふらね~

旅が始まると間もなく

小藤次に研ぎを頼んできた「子次郎」ってのが、小藤次の前に現れます

ちゃんと、高尾山で研いでくる、って伝言残したのに、持ち逃げを疑うか?

って小藤次がいいますが、この子次郎、なかなか小回りがききまして

久慈屋の行列を狙う者がいる、ってご注進です

すべてが修行って思っていきている駿太郎に対して

宗吾の弟の祥二郎、とか、年少組頭分の繁次郎、嘉一、吉三郎、由之助の五人は

まだまだ子供なのね

でも、6人ひとくくりです(^^)

足にマメをつくりながら、はじめは文句をいいつつも

根はいい子たちだから、頑張って押して行きますね

で、子次郎は、荷物の中に、高尾山の寺院の修繕費を貸すための

大金があるようですって小藤次に教えます

小藤次は聞かされてなかったんですが、久慈屋側は、道中で教えるつもりだったみたい

っていうか、700両っていう大金だったから、情報は必要最低限、寸前まで伏せておいた、らしい。

ですが、その情報が、もと北町奉行所の同心だった「木津家」からもれたらしい

不良息子の留吉が、酔った父からもれきいて、それを狙って仲間をつのったのね

これがばれたら、おうちは取り潰しですが

留吉も、親父もバカだけど、跡継ぎは宗吾の友人・勇太郎で、きちんとした男で

宗吾は、木津の取り潰しは、さけてやりたいの

夜、忍び込んできた、留吉とその一派を、駿太郎、久慈屋の国三、宗吾が待ち構え

宗吾は、留吉を瞬殺、用心棒も、小藤次が見守る中で、宗吾が打ち取ります

留吉が北町のかかわり、とかバレルと御家がやばくなるので

小藤次たちが立ち回り

色々とかくして処理をすませ、一行は高尾山へ

仔細は、小藤次が飛脚で各方面におくり

子供たちも、久慈屋の雇人である国三が優秀なのをみて

店で働くのも大変だ、って

いろいろ勉強していきますね

で、そんな風に、旅の中で成長していく子供たちを

大八車を押す大人たちも、優しいまなざしで見ているの

とってもいい感じだわ

このシリーズの中でも、上位にくるくらいに、よいお話だと思う

下巻も書きます

鼠異聞 上 新・酔いどれ小籐次(十七)posted with ヨメレバ佐伯 泰英 文藝春秋 2020年07月08日 楽天ブックスAmazonKindle

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