鼠異聞(下) 新酔いどれ小藤次(18) 佐伯泰英 感想レビュー備忘録。跡目争い。

このシリーズの中で

一番好きかもしれない上下巻です

上巻で、北町の不良息子から情報漏洩しての襲撃があり

下巻では、寺院での跡目争いがあり、研ぎ仕事を依頼してきた子次郎の正体に

子供たちによる、用心棒たち撃退の話へ

旅で子供たちと宗吾は、ひと皮むけましたね~(^^)

でも、そんな彼らを見守り、老中青山さまに根回しするのは

大人の小藤次の役目なの

役割分担もできていて、映画を一本見た感じでした

とってもおすすめの上下巻です(^^)

鼠異聞 下 新・酔いどれ小籐次(十八) (文春文庫) [ 佐伯 泰英 ]

6章、悲運なりや温情なりや

7章、菖蒲正宗紛失

8章、高尾山道の戦い

9章、琵琶滝水行

10章、菜の花の郷

北町奉行所では、木津の不良息子による顛末が飛脚で知らされ

馬鹿息子だけでなく、金の情報を漏らしたのが

親父であることもあって、木津家は、本当は断絶処分のはずですが

宗吾の友人でもある勇太郎が、父の切腹の介錯までして

次は自分、って見定めるから、それをくんで、断絶はまぬがれます

でも、上司たちは、こういうことの噂は流れるから

温情でありながら、非情でもあるぞ、って

勇太郎は、かみしめながら生きていきます。って

宗吾は、この旅で初めて人を二人も切りました

平和な江戸では、人斬りなんてほとんどないのね

で、小藤次は、一度斬ると、刀を抜くことが当たり前になる、って危惧して

宗吾の刀を研ぐと同時に、刀をこよりで、ちょこっと縛ってあげました

たやすく抜刀することをいましめるためね

宗吾は、弟の祥二郎を、なにかと小突き回すタチでしたが

(いじめてるのではなく、心配もしてます)

ひとかわむけちゃってからは、弟に小言を言わなくなります

言われなくなった弟が、ちょっと寂しそうなのも、いい感じです

さて、旅は雨にふられまして

運んでいるのが紙なので、荷物はふもとに子供たちと一緒に待たせ

久慈屋の主、国三、小藤次の三人が、薬王院へと向かいます

無事に金は渡せたのですが

薬王院では跡目騒動が起こってまして

小藤次を邪魔に思ってか、小藤次の預かりものの懐剣を取られて

返してほしくば江戸に買えれ、って

ツケ馬のように、敵方が付けてきたのが三公、って名乗る男でしたが

一見、おばかに見えて、仲間が殺されたのをしり

馬鹿を装っている、なかなかの知恵者でした

性根が悪くない、って見てとった小藤次は、三公を仲間にして

こっそり高尾山へと戻ります

子次郎は、自分の懐剣の場所をさぐり

ついでに隠密活動もしまして、敵方に捕らわれた久慈屋と薬王院のトップを回収

子供たちは、小藤次はすでに江戸に戻ったぞ、紙を渡してされ、って現れたやつらと戦います

で、途中から小藤次が加勢して、紙は無事に薬王院へと運ばれ

跡目争いも、老中青山さまから寺社奉行へと内密に話がまわり

仕事のできる男が派遣されてきて、うまくおさまりました

三公の本名は三太郎で

小藤次の手助けをしたことから、寺社奉行配下の者の目こぼしもあって

悪党の残した金から、給金分を取り返してもらい、乗っていた馬もいただきました

で、無事に故郷に戻ったんですが

紙を渡したあと、久慈屋たちが引き上げたあとも

小藤次が研ぎ仕事をするので、駿太郎たち子供組は残留

その間、駿太郎は修行するのが日常なので、高尾山を走り回ってたのね

そしたら、馬をつれた三太郎がいて、小藤次たちに蹴散らされた悪党のうち

用心棒たちが、徒党をくんで郷に入り込んでる、って知ります

駿太郎、宗吾は、三太郎の郷を助けるために独自に動きます

みんな、仕事のできる男に成長するな~

で、郷を無事に解放し、研ぎも終わり、子次郎は、今後も小藤次とご縁が続くこととなり

皆、無事に江戸へと戻ります

とってもおもしろかった上下巻でした

熱烈におすすめ(^^)

鼠異聞 下 新・酔いどれ小籐次(十八)posted with ヨメレバ佐伯 泰英 文藝春秋 2020年07月08日 楽天ブックスAmazonKindle

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