先祖探偵 新川帆立 推し本。私の感想レビュー備忘録。作家買いです、戸籍にまつわる小説。

推し本。

作家買いです。

今のとこ、この作家さんの本に外れなし。うれしいな(^^)

今回は、先祖を探す、ってことから

戸籍、を深堀していく小説となりました。

知らないことが沢山あって、面白かった

先祖探偵 (ハルキ文庫) [ 新川 帆立 ]

新川帆立 | 推し本探ブロ (veteranmama.com)

推しの推理小説レビュー | 推し本探ブロ (veteranmama.com)

先祖探偵 目次

1,幽霊戸籍と町おこし

2,棄児戸籍と夏休みの宿題

3,消失戸籍とご先祖様の霊

4,無戸籍と厄介な依頼者

5,棄民戸籍とバナナの揚げ物

先祖探偵 ネタバレ注意

邑楽風子は、親に捨てられた子で

行政がくれた苗字と名前を使って生きてます。

自分の先祖を探す、って形で興信所時代につちかった

戸籍捜しの技術を使って、事務所を開いてます

ちゃんと、弁護士に法的なことも相談しての

戸籍探偵、の事務所です。

ある日、村おこしで年長者を表彰したいので

生きてたら100歳超えの曽祖父を探してほしい、って依頼がきます

これは、戸籍を死亡で除籍してないとよくあることらしく

死亡を確定すればよいかな、と風子は動きますが

裏にあったのは、他人の戸籍で就職活動したら

うっかり合格しちゃった、っていう田舎の事務員のしょぼい計画でした

で、そのからくりに気付いたのは、探していたひいじいさまも

同じことをしてたから、って。

他人の名前で恋人となり、妊娠させたけど、バレるからと婚姻直前で逃亡

でも、何年かたったあと、今度はほんとの自分の名前で恋人のとこに戻って結婚したらしい

自分の先祖が武田武士由来、ってことを調べて欲しい(他は認めない)って調査依頼もあるみたい

自分が武田配下であるとわかって、喜んで吹聴したお客さんからの紹介で

自分の父方の祖先を夏休みの課題で調べたい、補助してほしい、って女子高生の依頼がきます

父方の親類を探したら、その目が、女子高生とそっくりで

まぁ、母の浮気を心配していた娘は、自分がちゃんと父親の子だ、って知る事ができましたね

この話は、親子関係が描かれていて、いいお話でした

事務所の大家さんは、入り婿をとっていて、それが風子の事務所の階下の喫茶店のオーナーでした

離婚はする予定ですが、大家さんは感じの善い女性で

で、彼女の親族の息子さんが、意識がとぎれると不気味なお経を読むという

怪奇現象がおきちゃって、先祖供養のために、って風子が調査依頼を受けます

この話は、かなりオカルト的でしたが、死者の呪いではなくて、許しているよ、と

伝えたくての霊さでしたね

ちょっと怖かったけど

ドヤ街の小山からの依頼でした

田舎を出て、でも墓が気になる、って依頼で

両親も兄も亡くなってるけど、ちゃんと墓の手入れはできていた、って報告。

感謝されて、お金ももらって一件落着だったんだけど

彼とのやり取りを聞いていた西口健司ってのが

俺の先祖を探してほしい。戸籍がないから。

先祖が見つかれば、戸籍がつくれるかもしれない、ってことらしい

この健司ってのが、けっこう荒々しい奴で、仕事として受けたくはなかったが

金は払うってことなので受けます

で、シングルマザーの実母が出生届を出しそこなって、そっから無戸籍になったって歴史が

西口雄二、という弟の保健証を持ってました。弟には戸籍があるんだ。

役場の窓口の人が知らなかったりすると、戸籍を作る事はできない、って思いこみがあるけど

今は、無戸籍の人にもいろいろ手があるようで

風子は、健司の戸籍を取ることになりますが

指紋を、ってとこで、健司は逃げ出します

ドヤ街までおっかけて、最初に健司を紹介してくれた小山と再会

健司を探すと、小山が教えてくれたのは、風子の知らない男でした。

つまり、風子に戸籍を頼んだのは、女がらみできれいな戸籍が欲しかった

次男の雄二の方でした。

健司は、風子から戸籍が作れると聞かされ、恋人との新居のために戸籍をとりたい、って

健司のごたごたの中で、風子を探して探っている探偵がいました

風子の父が生き別れた娘を探してる、って

風子は、自分の出自を求めて会う事にします

さて、こっからが本作のクライマックス

南米からの移民、沖縄からの無国籍な存在

風子の母は、自分の男に逃げられ、未婚の母で風子を育てながら

戸籍も与えられないから、娘を捨てることにします

日本では、移民とかに戸籍はくれないけど、捨て子には戸籍をくれるからね

風子は、母親のふるさとの沖縄にたどりつき

自分とそっくりの実母の遺影と対面します。

南米に戻った実父は、あっちでマフィアやってるらしいので

たどる気にもなれず、ただ、亡き母が娘のために自分を捨てた、ってことを知り

それでも、母親と一緒にいたかった、っていう風子の気持ちを書いて

作品は終了です。

面白かったので、推し。

先祖探偵

posted with ヨメレバ

新川 帆立 角川春樹事務所 2023年11月15日頃

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