このシリーズの中で
一番好きかもしれない上下巻です
上巻で、北町の不良息子から情報漏洩しての襲撃があり
下巻では、寺院での跡目争いがあり、研ぎ仕事を依頼してきた子次郎の正体に
子供たちによる、用心棒たち撃退の話へ
旅で子供たちと宗吾は、ひと皮むけましたね~(^^)
でも、そんな彼らを見守り、老中青山さまに根回しするのは
大人の小藤次の役目なの
役割分担もできていて、映画を一本見た感じでした
とってもおすすめの上下巻です(^^)
鼠異聞 下 新・酔いどれ小籐次(十八) (文春文庫) [ 佐伯 泰英 ]
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6章、悲運なりや温情なりや
7章、菖蒲正宗紛失
8章、高尾山道の戦い
9章、琵琶滝水行
10章、菜の花の郷
☆
北町奉行所では、木津の不良息子による顛末が飛脚で知らされ
馬鹿息子だけでなく、金の情報を漏らしたのが
親父であることもあって、木津家は、本当は断絶処分のはずですが
宗吾の友人でもある勇太郎が、父の切腹の介錯までして
次は自分、って見定めるから、それをくんで、断絶はまぬがれます
でも、上司たちは、こういうことの噂は流れるから
温情でありながら、非情でもあるぞ、って
勇太郎は、かみしめながら生きていきます。って
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宗吾は、この旅で初めて人を二人も切りました
平和な江戸では、人斬りなんてほとんどないのね
で、小藤次は、一度斬ると、刀を抜くことが当たり前になる、って危惧して
宗吾の刀を研ぐと同時に、刀をこよりで、ちょこっと縛ってあげました
たやすく抜刀することをいましめるためね
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宗吾は、弟の祥二郎を、なにかと小突き回すタチでしたが
(いじめてるのではなく、心配もしてます)
ひとかわむけちゃってからは、弟に小言を言わなくなります
言われなくなった弟が、ちょっと寂しそうなのも、いい感じです
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さて、旅は雨にふられまして
運んでいるのが紙なので、荷物はふもとに子供たちと一緒に待たせ
久慈屋の主、国三、小藤次の三人が、薬王院へと向かいます
無事に金は渡せたのですが
薬王院では跡目騒動が起こってまして
小藤次を邪魔に思ってか、小藤次の預かりものの懐剣を取られて
返してほしくば江戸に買えれ、って
☆
ツケ馬のように、敵方が付けてきたのが三公、って名乗る男でしたが
一見、おばかに見えて、仲間が殺されたのをしり
馬鹿を装っている、なかなかの知恵者でした
性根が悪くない、って見てとった小藤次は、三公を仲間にして
こっそり高尾山へと戻ります
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子次郎は、自分の懐剣の場所をさぐり
ついでに隠密活動もしまして、敵方に捕らわれた久慈屋と薬王院のトップを回収
子供たちは、小藤次はすでに江戸に戻ったぞ、紙を渡してされ、って現れたやつらと戦います
で、途中から小藤次が加勢して、紙は無事に薬王院へと運ばれ
跡目争いも、老中青山さまから寺社奉行へと内密に話がまわり
仕事のできる男が派遣されてきて、うまくおさまりました
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三公の本名は三太郎で
小藤次の手助けをしたことから、寺社奉行配下の者の目こぼしもあって
悪党の残した金から、給金分を取り返してもらい、乗っていた馬もいただきました
で、無事に故郷に戻ったんですが
紙を渡したあと、久慈屋たちが引き上げたあとも
小藤次が研ぎ仕事をするので、駿太郎たち子供組は残留
その間、駿太郎は修行するのが日常なので、高尾山を走り回ってたのね
そしたら、馬をつれた三太郎がいて、小藤次たちに蹴散らされた悪党のうち
用心棒たちが、徒党をくんで郷に入り込んでる、って知ります
駿太郎、宗吾は、三太郎の郷を助けるために独自に動きます
みんな、仕事のできる男に成長するな~
で、郷を無事に解放し、研ぎも終わり、子次郎は、今後も小藤次とご縁が続くこととなり
皆、無事に江戸へと戻ります
とってもおもしろかった上下巻でした
熱烈におすすめ(^^)
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鼠異聞 下 新・酔いどれ小籐次(十八)posted with ヨメレバ佐伯 泰英 文藝春秋 2020年07月08日 楽天ブックスAmazonKindle
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