花菱夫妻の退魔帖(4) 白川紺子 推し本。私の感想レビュー備忘録。夜読むと怖い幽霊話。今回は、悪霊から守る幽霊話が好き。

推し本。

大好きなシリーズが4巻目となりました。

白川紺子さんは、他にもシリーズを抱えてるので、このシリーズ以外でも

新しい本がでると、作家買いしてます。手練れの作家さんです(^^)

花菱夫妻の退魔帖 四 (光文社文庫) [ 白川紺子 ]

花菱夫妻の退魔帖 | 推し本探ブロ (veteranmama.com) このシリーズの既刊

白川紺子 | 推し本探ブロ (veteranmama.com) 白川紺子作品の既刊

花菱夫妻の退魔帖(4) 目次

神の居ぬ間に

鬼灯の影

初恋金魚

花菱夫妻の退魔帖(4) ネタバレ注意

鈴子は幽霊が見える子で、侯爵家の女中の娘でしたが

外で育っている時に、貧民窟で良くしてくれていた

3人の男女が、鈴子がいない間に押し入った「男」に殺され

三人は幽霊になって、鈴子に「戻ってくるな」って警告してくれました。

その後、鈴子は侯爵家へと戻されて、兄や妹に可愛がられて育ちますが

貴族の娘だから嫁に行かねばならず、えり好みしてたら

花菱男爵である孝冬と出会います

彼もまた、幽霊が見える人であり、さらに、御家に取り付いている

悪霊食いの「淡路の君」というのがいて

まぁ、いろいろ複雑なもんを背負っているんですが

彼となら、三人を殺した犯人を捜せるし

幽霊が見えるってのも隠さないですむし

などなどから結婚します

本作は4巻ですが

既刊の中で、孝冬の両親や兄の死が語られ

淡路の君が、花菱の家に来た嫁ではないか、とか

本家の墓のある淡路に行ったりして、いろいろ紐解かれていくわけです

孝冬の兄の死は、謎が多く

淡路の君に悪霊を喰わせる過程で、新興宗教みたいなのが出てきて

背景はけっこう難しいんですが

鈴子が着る着物の描写が美しく、貴族生活の豊かさもうっとりだし

花菱男爵である孝冬が、自分の背景ごと愛してくれる鈴子を

溺愛状態になってまして、そういう脇の描き込みが魅力的です。

4巻の最初では

玄関に、懐剣を握った血まみれの丸髷の女性の幽霊がでる、って話で

お祓いを、って頼まれますが

花菱夫妻は、いきなり淡路の君に食わせるより、成仏を願うので

とりあえず、現状確認して、背景を探ります

そうしたら、維新の時に、ふるさとに妻子をおいて、こっちで妾を持った男がいて

妻子は貧困の中、懐剣だけを手放さずに東京に出てきて

息子の目の前で、妾を殺して本妻である自分も死んだ、って過去がありました。

息子のトラウマもすごいけど、まぁ、もみ消したけど幽霊が生まれ

大黒さま、が懐剣に欠けていたから、ってずっと言ってたそうなので

玄関の大黒様を並べたら、幽霊はでなくなりました、って

哀しいね

マスクメロン、って政府の後押しで始まった「フルーツ産業」のたまものだったのね

知らなかった

孝冬の友人である、新聞記者の五十嵐君が初登場です

孝冬は、はじめは本家にいなかったので、庶民として暮らしてたのね

ここらの過去話も、けっこう壮絶。

嫁を強姦して産ませた祖父の子なんです、孝冬。

生まれた子に罪はないけど、いろいろ疎まれてまして

でも、兄様が不審死で、後継がいなくて、本家を継いでます

借金のカタに結婚させられた公家のお姫様

業突く張りな旦那が死んだのち、家に幽霊の影が生まれ

男爵にお祓いの話がきたけど、お姫さまは、祓いたくない、って

理由は、業突く張り旦那が悪霊になってお姫さまをさらいにくるのを

妾だった人が幽霊になって守ってくれてたのね。

淡路の君が大好きな悪霊爺だったので、サクッと喰われてしまいました。

最後の話は、金魚屋さんから、頑張って店持ちになった人が

前におやしきの娘さんと待ち合わせていた場所に幽霊がでて

娘さんが幽霊となって、成仏できないのでしょうか、って

心配して訴えてきました

心打たれて、まずは鈴子が動きますが、おやしきの娘さん、って感じではなく

場末の女に見えるのね

いろいろ調査した結果、娘さんを金で妾奉公させようとした

実の叔母さんが幽霊になっていて

娘さんの方は、親切な人の手助けでコツコツ母の治療費を返済し

板前だった男性と幸せになってました

元金魚屋さんも、彼女が幸せならそれで十分、って

けっこうなハピエンですが

ただ、親切な人の手助け、ってのが

男爵夫妻のまわりに現れる、燈火教とか、その教祖の娘だった八千代さんとか

鴻という男性は、孝冬の兄と関連があったようだし

鈴子の家族だった3人を殺したのが、今回の幽霊の愛人だった「南条」って男にかかわりがあるかも、だし

まぁ、この作家さんは、しっかりプロットを立てる人なので

後半一気に、いろいろな謎が解けていくのを期待します

(後宮の烏がそうだった)

次巻も、出たら読みます(^^)

花菱夫妻の退魔帖 四

posted with ヨメレバ

白川紺子 光文社 2024年07月10日

楽天ブックス

楽天kobo

Amazon

Kindle

この記事が、読みたい本を見つけるヒントになったよ~、とポチして下さるとうれしいです 。

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

にほんブログ村

このブログは、読了した本のプロモーションを含んでおります。