推し作家の本。
次代は明治維新前。
ペリー来航のあと、コロリの大流行に大震災と
江戸幕府は翻弄されます。
そしてこののち、大政奉還、明治維新、神仏分離が始まるのね。
そんな時代のお話。
謎解きと、特殊能力。
うまいな~。
推し
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上野で小さな社を預かっている
神官一家。
親父様の下に、弓月と信行という兄弟がいて
神宝である神社の鏡に祝詞を捧げると
弓月には、鏡の中に何かが見える、という特殊能力があります。
託宣の一種なんですが
その応えは、ちょっとズレテいるので
信者が集まる、ってこともない。
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屋根の修理代にも事欠く貧乏神社に
大きな神社である白加巳神社の権宮司である佐伯彰彦という人が
弓月の能力を見込んで、金持ちの生き別れた息子を見分けて欲しい、って
はたからみても、占い中には鏡に不思議な曇りが浮かぶので
そういう点から、いかさま、とは言われませんで
当たりませんよ、とクギを刺しつつも
礼金が多いことから、弓月と信行は白加巳神社へ。
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江戸時代で金持ちといったら札差
その青戸屋さんが、大震災で生き別れた息子をさがしていて
ずっと見つからなかったのに
3人も現れて
その中の誰が本物か、特定して欲しい、って
☆
で、世相は辻斬り三昧の時期で
三人の拾い親?である、女性と男性が殺されます。
残ったのは武士が一人
で、この人が、維新志士にそそのかされて
青戸屋の子供を人質に、身代ごっそり奪って維新の資金にしたいって一派に加入。
という、下世話の身代金事件に
弓月の占いが、一度目と二度目で結果が違うのは
「青戸屋の息子を探す」というのと「新太郎を探す」の二つの命題が
実は違っていたから、って弓月が気づくわけですね。
青戸屋には子だねがなかったから。
という、夫婦関係の話がからみ
さらに、弓月の能力が
過去を見る、現代を見る、先を見るタイムトリップ、へと進化した上に
鏡がなくても制御できずに見えるようになり
その能力と引き換えに、多量の喀血でひん死、ってのが枷として登場
さらに、彰彦の望みは
弓月を本物と見極めた上で、京都に行って神教を守り抜く、ってことになり
という風に
まぁ入り組むんですが
これを、きれいに収れんさせて納得の決着を見せるところが
ほんとに素晴らしいかったです。
最後は夫婦仲もおさまり
子供は、新太郎が誰かがわかった上に、他の二人も青戸屋が面倒を見るし
人殺しの維新志士たちは捕縛、彰彦の望みは落着。
弓月のとこの神社の屋根も無事修復、って感じですね。
面白くてサクサク読めました。
とってもおススメの一冊です。
ゆめつげposted with ヨメレバ畠中 恵 KADOKAWA 2008年04月25日頃 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle
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