ゆめつげ 畠中恵 感想レビュー備忘録 明治維新前の子供探しとタイムリープ?

推し作家の本。

次代は明治維新前。

ペリー来航のあと、コロリの大流行に大震災と

江戸幕府は翻弄されます。

そしてこののち、大政奉還、明治維新、神仏分離が始まるのね。

そんな時代のお話。

謎解きと、特殊能力。

うまいな~。

推し

ゆめつげ [ 畠中恵 ]

上野で小さな社を預かっている

神官一家。

親父様の下に、弓月と信行という兄弟がいて

神宝である神社の鏡に祝詞を捧げると

弓月には、鏡の中に何かが見える、という特殊能力があります。

託宣の一種なんですが

その応えは、ちょっとズレテいるので

信者が集まる、ってこともない。

屋根の修理代にも事欠く貧乏神社に

大きな神社である白加巳神社の権宮司である佐伯彰彦という人が

弓月の能力を見込んで、金持ちの生き別れた息子を見分けて欲しい、って

はたからみても、占い中には鏡に不思議な曇りが浮かぶので

そういう点から、いかさま、とは言われませんで

当たりませんよ、とクギを刺しつつも

礼金が多いことから、弓月と信行は白加巳神社へ。

江戸時代で金持ちといったら札差

その青戸屋さんが、大震災で生き別れた息子をさがしていて

ずっと見つからなかったのに

3人も現れて

その中の誰が本物か、特定して欲しい、って

で、世相は辻斬り三昧の時期で

三人の拾い親?である、女性と男性が殺されます。

残ったのは武士が一人

で、この人が、維新志士にそそのかされて

青戸屋の子供を人質に、身代ごっそり奪って維新の資金にしたいって一派に加入。

という、下世話の身代金事件に

弓月の占いが、一度目と二度目で結果が違うのは

「青戸屋の息子を探す」というのと「新太郎を探す」の二つの命題が

実は違っていたから、って弓月が気づくわけですね。

青戸屋には子だねがなかったから。

という、夫婦関係の話がからみ

さらに、弓月の能力が

過去を見る、現代を見る、先を見るタイムトリップ、へと進化した上に

鏡がなくても制御できずに見えるようになり

その能力と引き換えに、多量の喀血でひん死、ってのが枷として登場

さらに、彰彦の望みは

弓月を本物と見極めた上で、京都に行って神教を守り抜く、ってことになり

という風に

まぁ入り組むんですが

これを、きれいに収れんさせて納得の決着を見せるところが

ほんとに素晴らしいかったです。

最後は夫婦仲もおさまり

子供は、新太郎が誰かがわかった上に、他の二人も青戸屋が面倒を見るし

人殺しの維新志士たちは捕縛、彰彦の望みは落着。

弓月のとこの神社の屋根も無事修復、って感じですね。

面白くてサクサク読めました。

とってもおススメの一冊です。

ゆめつげposted with ヨメレバ畠中 恵 KADOKAWA 2008年04月25日頃 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle

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