上橋菜穂子さん
すばらしい作家さんです。
守り人シリーズは、はじめ児童書でみつけて
その後文庫化されてすべて揃えて完読しました。
2022年で、最初の1巻から25年目だそうです。
そんなに経つのか・・。
風と行く者 ー守り人外伝ー (新潮文庫) [ 上橋 菜穂子 ]
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NHKのドラマ化が秀逸で
私の中で、ジグロはずっと吉川晃司さんです。
かっこいいけど、悲哀がある・・。
本作では、現在パートと
過去パートが入れ子のように構成されてます。
ジグロは、最初に登場した時からバルサの思い出の人
亡くなった人でしたが
バルサの中に生きていて、今回の「風と行く者」の中では
まだ少女のバルサを連れて旅する姿が、みっちりと描かれます。
王様の毒殺を、娘のバルサを人質に取られて命じられた親友の医師のために
自分の地位も名誉も捨てて、バルサを連れて出国したジグロ。
王は、真実をしるジグロに、ジグロの親友たちを追手として送り込みます。
本作でも、そんな親友との戦いが描かれてます。
バルサが、ジグロを庇って、自分が相手しようとしますが
到底かなう相手ではなく、ジグロがすんでのところで入れ替わり
親友を殺して、その息が止まるまで抱きしめてる。
つらいな。
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という、バルサとジグロの関係に
ある血族の、暗殺の証拠が絡んだ秘密のせいで狙われる風の民がいて
その当主とジグロの、大人の恋物語があって
最終的には、ジグロ亡き今、バルサの見たことと
現代の政変の流れで、新しい未来が開かれるかもしれない、って展開となります。
ほんとにこのお話は素晴らしいので
是非、本編を購入して読んでください。
バルサは、恋人のタンザと連れ合い(結婚という形ではないみたい)
静かに暮らしてます。
ジグロが亡くなってからも、バルサやタンザの人生の瞬間瞬間に
ジグロの思い出があって、生きているように立ち上る記憶
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文庫となって再読となりましたが
最初の本が出た時には、私の実母が健在でした。
文庫のあとがきに、作者様の父上の死とか、母上との別離とかあって
作者と私の年代がほぼ一緒ということもあり
前に読んだ時より、今回の方が泣けました・・。
名作ってこういうものなんでしょうね。
いくつになって読み直しても、その時々の読者の気持ちに寄り添ってくれる。
すばらしいですね。
あとがきの
離れて暮らしていても、電話をかければ元気な父母の声を聴くことができた
あの暮らしが永久に消え去ってしまったことを想うと、という言葉に
ほんと、泣きました・・。
風と行く者posted with ヨメレバ上橋 菜穂子 新潮社 2022年07月28日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle
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