推し本。
作家買いした作品です。文庫書下ろしで5巻まで来ました。
明治維新で華族となった花菱家。大名、公家、そして神職が華族となりましたが
花菱家は淡路の神職です。女中の子ですが、家族に愛された鈴子が花菱に嫁に行き
神職なのでお祓いができる、という男爵家ですが、実は、幽霊食いの魔物が
花菱家にはとりついてまして、って流れと
鈴子を養育してくれていた3人が、惨殺されてるんですが
その殺人犯人が、実は花菱の亡き長男であり、孝冬の兄ではないか、って疑問があって
その謎解きが、縦糸となってます
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花菱夫妻の退魔帖(5) 目次
月鈴子
星の川
鬼子母の実
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花菱夫妻の退魔帖(5) ネタバレ注意
華族の生活ですから、すごく豊かですが
着物の描写が素晴らしくてね~
漫画化されたら、この着物柄を描くのが大変だと思うけど
読んでみたいな~と、熱烈に思います
☆
華族の、女中の子である鈴子ですが、本家に引き取られ
異母兄姉、後妻にかわいがられています
時代背景として、さくっと嫁に行かねばならないんですが
花菱家は、見える嫁が良かったようで
鈴子本人のことも気に入った、花菱男爵当主の嫁となります
☆
さて、鈴子は、幼少の頃は、メイドをクビになった母のとこで育ちますが
その時に、貧しいながらもかわいがってくれた三人の恩人がいて
彼らが、鈴子の留守に殺される、って事件があります。
鈴子は幽霊が見えるので、殺された三人は幽霊になって鈴子のとこに現れ
今は、帰宅するな、と警告し、殺人犯には「松」という証拠があった、と言って
消えます
☆
三人を殺した犯人を捜すために、うろうろしてる鈴子ですが
孝冬が、一緒に探してあげる、って言ってくれまして
その時に、花菱家には「幽霊食いの魔物」が憑いていて
幽霊を食わさないと、当主が殺される、という呪いがあるとわかります
魔物は鈴子が気に入ったようで、幽霊食いの継続で
孝冬は無事らしんですが
この花菱家の、亡き爺様ってのが、息子の嫁を昏睡強姦して産ませてるのが
孝冬だったりします
ここらは、既刊に書かれてますが
孝冬の兄も、殺されてまして、結果、孝冬が後継になってます。
☆
という、ドロドロの血縁と、3人を殺した犯人が
実は孝冬の兄じゃないか?とかの疑問とかある中で
持ち込まれた幽霊話を紐解いていくわけです
☆
幽霊は、基本、成仏させてやりたい鈴子ですが
悪霊になっちゃうと、花菱家の憑き魔である淡路の君が、大好物で食っちゃう。
食われると、成仏できず、多分転生もできないでしょうね
☆
鈴子は、いつか淡路の君を祓って、孝冬を自由にしてやりたい
孝冬は、今までそんなこと言ってくれた人がいないので
とってもうれしい
華族の見合い結婚だし、幽霊が見える、ってことから好都合で結婚した二人ですが
5巻現在では、かなりラブラブですね
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月鈴子は、貸家の中に幽霊が出る、ってことで花菱家に話しがきて
いろいろ聞きこむうちに、幽霊は、大事な娘に残したかんざしを
娘に渡したい、ってのが未練だったらしく
鈴子が、ストーカーしていた家主から取り戻してやり
娘さんに届けますよ、というと成仏しましたね
☆
星の川、は、一家心中の生き残りだった女性が
亡き父が、殺そうと追いかけてくる、って悪夢を見るようになり
その女性が、鈴子が華族の家に引き取られたすぐの頃から
優しくしてくれた呉服屋の奥様だったので、助けてあげたいと動きます
で、実はその幽霊話。奥さんを幽霊話で離婚させて
自分が後釜にはいり、店主である夫を情夫に殺させて乗っ取る、という
なんとも雑な計画の一端でした。
情夫が孝冬を匕首で襲いますが、孝冬は強かったですね。返り討ち
さて、幽霊話は嘘でしたが、奥さんの悪夢は続くので
悪夢の発端になった、心中事件のあと、放置されていた実家へと
奥さんが線香と花を持ち、鈴子と孝冬、三人で行きます
家に入ると、すぐに悪霊になっていた奥様の父親幽霊が現れますが
そういう悪霊が大好物の淡路の君が、サクッと食いますね。
成仏ではないですが、これで奥様はもう大丈夫、ってことですが
奥様をいろいろ誘導して花菱家に話を持ち込んだのが
このシリーズで、多々でてくる鴻(おおとり)八千代でした
宗教家の娘で、華族の奥様たちの愚痴をきいてやり、慰めるのを
ボランティアのようにしてる老女ですが
夫の鴻善次郎ってのが、ちょっと怪しい男で、宗教団体を率いてます
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3つ目の話は
殺された三人の一人、銀六が、前は子爵家の執事だった、ってことがわかり
彼がいた子爵家の様子見に行く鈴子です
☆
そこで八千代と遭遇する鈴子です
で、八千代に、呉服屋夫人への誘導をしましたね、というと
善きことをしたでしょ、って感じでほんとに善意満載で、花菱家に頼ってよかった、というので
黒い気分になる鈴子です
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三人殺しの犯人に、南条がからんでる、って名前までは出ているので
彼を探して、妻らしい人の家を見つけて訪問すると
南条の妻は、部屋で首つりしてました
で、その分家賃が安い、と豪胆にも住んでる人がいたりして
庭にはざくろの木が植わり、実がたわわでした。
ざくろの実は食べられるので、近所の男の子が
塀の向こうから必死にもいでいきます
住んでる豪胆男子は、玄関から来たら渡してやるんだけど、と笑ってます
で、そのザクロ泥棒の子供が、ザクロの木の下の幽霊は怖くないけど
地面から赤ん坊の泣く声がして、こわい、って
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南条の妻・てるは、里子に出される前の不義の子とかを預かる仕事をしてたらしく
その仕事は、自分の子供の入院費を稼ぐためのものでした
でも、金をもらって、赤子をころして、ざくろの木の下に埋めてましたね
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南条の妻の妹、ってのが
孝冬の兄の恋人だったりくらしく、写真とかを見せて、確認がとれました
そして、りくが首つりしたあとの始末を、孝冬の兄がしていたらしい
どういう関係なのか
もし兄が殺しにかかわっていたら、鈴子は自分(孝冬)から離れていくのか
と、暗くなる孝冬でした
ってとこで5巻終了
これ、完結したら一気読みしたいな(^^)
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posted with ヨメレバ
白川紺子 光文社 2025年05月13日
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