花菱夫妻の退魔帖(5) 白川紺子 推し本。私の感想レビュー備忘録。3つの幽霊話に、鈴子を育てた3人を殺したのが、孝冬の兄なのか?の謎解き。

推し本。

作家買いした作品です。文庫書下ろしで5巻まで来ました。

明治維新で華族となった花菱家。大名、公家、そして神職が華族となりましたが

花菱家は淡路の神職です。女中の子ですが、家族に愛された鈴子が花菱に嫁に行き

神職なのでお祓いができる、という男爵家ですが、実は、幽霊食いの魔物が

花菱家にはとりついてまして、って流れと

鈴子を養育してくれていた3人が、惨殺されてるんですが

その殺人犯人が、実は花菱の亡き長男であり、孝冬の兄ではないか、って疑問があって

その謎解きが、縦糸となってます

花菱夫妻の退魔帖 五 (光文社文庫) [ 白川紺子 ]

花菱夫妻の退魔帖(5) 目次

月鈴子

星の川

鬼子母の実

花菱夫妻の退魔帖(5) ネタバレ注意

華族の生活ですから、すごく豊かですが

着物の描写が素晴らしくてね~

漫画化されたら、この着物柄を描くのが大変だと思うけど

読んでみたいな~と、熱烈に思います

華族の、女中の子である鈴子ですが、本家に引き取られ

異母兄姉、後妻にかわいがられています

時代背景として、さくっと嫁に行かねばならないんですが

花菱家は、見える嫁が良かったようで

鈴子本人のことも気に入った、花菱男爵当主の嫁となります

さて、鈴子は、幼少の頃は、メイドをクビになった母のとこで育ちますが

その時に、貧しいながらもかわいがってくれた三人の恩人がいて

彼らが、鈴子の留守に殺される、って事件があります。

鈴子は幽霊が見えるので、殺された三人は幽霊になって鈴子のとこに現れ

今は、帰宅するな、と警告し、殺人犯には「松」という証拠があった、と言って

消えます

三人を殺した犯人を捜すために、うろうろしてる鈴子ですが

孝冬が、一緒に探してあげる、って言ってくれまして

その時に、花菱家には「幽霊食いの魔物」が憑いていて

幽霊を食わさないと、当主が殺される、という呪いがあるとわかります

魔物は鈴子が気に入ったようで、幽霊食いの継続で

孝冬は無事らしんですが

この花菱家の、亡き爺様ってのが、息子の嫁を昏睡強姦して産ませてるのが

孝冬だったりします

ここらは、既刊に書かれてますが

孝冬の兄も、殺されてまして、結果、孝冬が後継になってます。

という、ドロドロの血縁と、3人を殺した犯人が

実は孝冬の兄じゃないか?とかの疑問とかある中で

持ち込まれた幽霊話を紐解いていくわけです

幽霊は、基本、成仏させてやりたい鈴子ですが

悪霊になっちゃうと、花菱家の憑き魔である淡路の君が、大好物で食っちゃう。

食われると、成仏できず、多分転生もできないでしょうね

鈴子は、いつか淡路の君を祓って、孝冬を自由にしてやりたい

孝冬は、今までそんなこと言ってくれた人がいないので

とってもうれしい

華族の見合い結婚だし、幽霊が見える、ってことから好都合で結婚した二人ですが

5巻現在では、かなりラブラブですね

月鈴子は、貸家の中に幽霊が出る、ってことで花菱家に話しがきて

いろいろ聞きこむうちに、幽霊は、大事な娘に残したかんざしを

娘に渡したい、ってのが未練だったらしく

鈴子が、ストーカーしていた家主から取り戻してやり

娘さんに届けますよ、というと成仏しましたね

星の川、は、一家心中の生き残りだった女性が

亡き父が、殺そうと追いかけてくる、って悪夢を見るようになり

その女性が、鈴子が華族の家に引き取られたすぐの頃から

優しくしてくれた呉服屋の奥様だったので、助けてあげたいと動きます

で、実はその幽霊話。奥さんを幽霊話で離婚させて

自分が後釜にはいり、店主である夫を情夫に殺させて乗っ取る、という

なんとも雑な計画の一端でした。

情夫が孝冬を匕首で襲いますが、孝冬は強かったですね。返り討ち

さて、幽霊話は嘘でしたが、奥さんの悪夢は続くので

悪夢の発端になった、心中事件のあと、放置されていた実家へと

奥さんが線香と花を持ち、鈴子と孝冬、三人で行きます

家に入ると、すぐに悪霊になっていた奥様の父親幽霊が現れますが

そういう悪霊が大好物の淡路の君が、サクッと食いますね。

成仏ではないですが、これで奥様はもう大丈夫、ってことですが

奥様をいろいろ誘導して花菱家に話を持ち込んだのが

このシリーズで、多々でてくる鴻(おおとり)八千代でした

宗教家の娘で、華族の奥様たちの愚痴をきいてやり、慰めるのを

ボランティアのようにしてる老女ですが

夫の鴻善次郎ってのが、ちょっと怪しい男で、宗教団体を率いてます

3つ目の話は

殺された三人の一人、銀六が、前は子爵家の執事だった、ってことがわかり

彼がいた子爵家の様子見に行く鈴子です

そこで八千代と遭遇する鈴子です

で、八千代に、呉服屋夫人への誘導をしましたね、というと

善きことをしたでしょ、って感じでほんとに善意満載で、花菱家に頼ってよかった、というので

黒い気分になる鈴子です

三人殺しの犯人に、南条がからんでる、って名前までは出ているので

彼を探して、妻らしい人の家を見つけて訪問すると

南条の妻は、部屋で首つりしてました

で、その分家賃が安い、と豪胆にも住んでる人がいたりして

庭にはざくろの木が植わり、実がたわわでした。

ざくろの実は食べられるので、近所の男の子が

塀の向こうから必死にもいでいきます

住んでる豪胆男子は、玄関から来たら渡してやるんだけど、と笑ってます

で、そのザクロ泥棒の子供が、ザクロの木の下の幽霊は怖くないけど

地面から赤ん坊の泣く声がして、こわい、って

南条の妻・てるは、里子に出される前の不義の子とかを預かる仕事をしてたらしく

その仕事は、自分の子供の入院費を稼ぐためのものでした

でも、金をもらって、赤子をころして、ざくろの木の下に埋めてましたね

南条の妻の妹、ってのが

孝冬の兄の恋人だったりくらしく、写真とかを見せて、確認がとれました

そして、りくが首つりしたあとの始末を、孝冬の兄がしていたらしい

どういう関係なのか

もし兄が殺しにかかわっていたら、鈴子は自分(孝冬)から離れていくのか

と、暗くなる孝冬でした

ってとこで5巻終了

これ、完結したら一気読みしたいな(^^)

花菱夫妻の退魔帖 五

posted with ヨメレバ

白川紺子 光文社 2025年05月13日

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