任侠書房(任侠シリーズ1) 今野敏 推し本。私の感想レビュー備忘録。面白かった!出版社に乗り込んでの経営再建。

推し本。

私は本作が初めての作家さんでしたが、夫が好きで読んでいたようです。

最初に任侠浴場を読み(シリーズ4作目)それが面白かったので

シリーズ1巻から読み始めました。

任侠書房改版 (中公文庫) [ 今野敏 ]

任侠書房 ネタバレ注意

日村誠司、というやくざの代貸(ナンバー2)の視点で動くお話です。

親分に心酔してますが、やってることは中間管理職

親分は、阿岐本組の組長さん。

小さくて、広域指定暴力団には指定されてます。

暴力団ではなくて、任侠のヤクザ、ってのが親分の方針で

日村の下にあと3人の若いのがいるだけの、4人の小さな所帯です。

自社ビル(古いの)に事務所を構え

商店街の人とは仲良くやってきましたが

最近の暴対法で、新しい住居人には白い目でみられてる

ってのが、背景。

阿岐本組長は、小さい組ですが、名前が知られていて

今は出世したほかの大親分とかとも、五分の盃を交わしているという

実はチートな親分です

で、この親分は、いろいろ興味を持つ人で

今回、知り合いの親分が、ゲットした書房(出版社)を

立て直す、ことになります。

前の親分は、さくっとつぶして換金するつもりでしたが

阿岐本が、立て直す、という以上

日村は逆らえず、口答えもできず、一緒に乗り込んで経営再建です。

しのぎの関係で

債権を買って、つぶして換金するなら

書房の地元のヤクザは沈黙ですが

乗り込んできて、仕事にするなら、ヤクザ同士の縄張りの話になります

日村は、阿岐本が、すでに話を通していると思ってましたが

実は通ってなくて、自分の指を際出す覚悟で、その地のヤクザ事務所に行ったら

なんと、そこの親分は阿岐本と兄弟分でした、って

ヤクザ問題はなんとかなり

グラビアの方は、阿岐本組の、女に詳しい子がアイデアを出して売れ

ヤクザがらみのスクープは、阿岐本からの話で売れ

週刊誌は二週連続で完売

で、暴対法もあって、警察が阿岐本組を付け狙い

組の若いものが、出版社の者にもらった万年筆を

刑事に壊されて激昂しちゃって、って顛末に

人権弁護士をみつけ(ヤクザにも人権はある、警察横暴)ってことで

書房の人も含めてキャンペーンをし

ちょうど、阿岐本組がかかわった工場が

阿岐本組のコンサルでいきを吹き返したら

金をもっととりたい金貸しが放火とか計画

阿岐本組が必死に消火する、って事件があったんですが

その放火犯が、因縁刑事の息子だったりしまして

いろいろめぐって

書房は立ち直り

はじめはやくざを毛嫌いしていた書房の人も

最後は阿岐本たちが去るのを、ほんとに惜しんでくれたりして

阿岐本組の親分といると、なんかうまくいくんですが

それは、親分がヤクザの任侠を守っているから運を引き寄せる感じですね。

読後感がとってもいいし

これ、どう解決するんだろう?って

ドキドキしながら読むので

後半になるとバイアスかかって読み進んじゃって

夜中まで一気読みしちゃいました。

推し。

任侠書房改版

posted with ヨメレバ

今野敏 中央公論新社 2015年09月19日頃

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