推し本。
大好きなシリーズです。
千吉親分のとこの最弱下っ端だった北一が、親分に育てられた性根で愛されて
捕物の手伝いをはじめたのですが
彼を助けてくれるのが喜多次という、ちょっと忍者らしい若者で
この二人のお話なので「きたきた」捕物帖です。
本作では、気の毒ばたらき、が連載分への加筆修正
後半の「化け物屋敷」が書き下ろしでした。
気の毒ばたらき きたきた捕物帖 (三) [ 宮部 みゆき ]
きたきた捕物帖 | 推し本探ブロ このシリーズ既刊の、感想レビュー備忘録。
推しの時代小説レビュー | 推し本探ブロ 推しの時代小説既刊の、感想レビュー備忘録。
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気の毒ばたらき(きたきた捕物帖3) 目次
気の毒ばたらき
化け物屋敷
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気の毒ばたらき(きたきた捕物帖3) ネタバレ注意
北一は、いろいろありましたが
亡き親分の文庫作りの、分家、的な扱いで
仕事をすることができてます。
捨て子で、親分に育てられたようなもんで
だからこそ、あんたは性根がいいんだよ、とみんなに可愛がられ
親分亡きあとの未亡人の松葉という盲目のおかみさんのとこにも
しょっちゅう挨拶に行くし、ごはん食べさせてもらうし、まぁ、円満です。
ただ、まだ青年というより少年に近くて、腕っぷしとかも弱くて
そんなとこを、助けてくれるのが、長命湯という湯場で釜たきをしている
喜多次です。
行き倒れを湯場で助けられた青年ですが、実は、隠密の身のこなしのできる
顔をさらせばイケメンという、ほぼ、少女漫画の主人公的な存在
喜多次は、亡き父の骨を、知らずに北一が大事に供養してくれたので
(こういうとこが、北一がみんなに愛される所以)
北一の手助けをしてます
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というのが前までのざっくりとした人物紹介
本作では、亡き千吉親分が、最年長の子分に残した、文庫の店が放火で消失したとこから始まります。
放火犯人は女だってわかってるし、さらに、ずっと親分のとこにいたお染さんが放火犯とわかります。
恨みの放火だったようです。
親分の文庫を継いだ子分の妻が、ほんとに性悪で、いろいろあったみたい
で、水死体となったお染が見つかり、放火の理由もわかります。
この時代、自分とこの女中への管理不行き届きってことで、罰金とかがあるのね
さらに、こういう放火の時に、お金や細かいものが盗まれていて
千吉のあととり、っておことで北一が走り回り
「気の毒ばたらき」っていう盗人たちをつきとめます。
まぁ、喜多次が、友達になった野犬の力を使って見つけてくれたんですけどね
金の一部を取り戻し、二度とやらない、ってことで黙っていてやり
その代わり、その秘密を握って北一の捕物調査の手下にしちゃう喜多次
うん、いろいろ配下が増えていく
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お染の恨みをかって、自宅他を放火された
万作とおたま夫婦は、松葉さんから過料のお金を出助けしてもらい、田舎にひっこみます
で、長男の長作は、二人に似ないで勤勉でよい子なもんだから
北一の文庫屋で、担ぎ手として働きたい、って
うん、善き
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お正月になって、年始回りとなります
ここの描写は、お江戸の市井の描写で、とっても素敵なので
是非、本編を購入して読んでみてください
素敵でした
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で、大親分さんである政五郎さんとこへ、ご挨拶に行く北一
おでこ、や政五郎さんは、ぼんくらシリーズで出てくるメンツで
ぼんくらシリーズも、素敵だったな~
おでこは、超絶的に記憶力がよく
そこで、今、北一が世話になってる人の奥さん・おとよさんが、
死体で見つかった28年前の事件を
なんとか解明したい、と思ってるから、接触を図ります
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亡き千吉親分も気にかけていた未解決事件ですね
後半は、この事件の謎解きが縦糸となります
途中で、スリを捕まえようとした北一が吹っ飛ばされて
当たり所が悪かったら死ぬとこで
岡っ引きの親分の子分だ、っていうアイデンティティで
とっさに動いたけど、このままではいけない、って悟った北一が
喜多次に、強くなるための師匠になってくれ、って頼みます
喜多次は、板をカンナでけずる方法を授けますね
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殺された状況を推察する描写があって
他にも殺されてる人がいるかも、って流れから
一家心中をはかった気狂いの男が、死体を埋め続けて狂ったらしい、って流れとなり
その男をたどって、息子を心中で亡くした男が
狂気の中で、女を殺して腹いせをしてたらしい、ってわかってきます
この人の作品って、こういうとこがけっこうあって
殺しとかは、エグイです
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最終的には、北一は犯人にたどり着きますが
おとよさんを殺した犯人グループは
(拉致、監禁、死体遺棄は本ボシ以外が請け負ってた)
ほぼほぼ死んでまして
解決したとこで、妻を亡くした旦那さんは、どうしようもない、という
なんとも切ない幕切れとなります
北一は、同心さんたちと一緒に、黙っていることを選びますね
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ここらの、大人の配慮、もこの作家さんの一つの特徴
そして最後の最後
亡きお染さんが、金を用立てててやりたかった
若い時の過ちで運んだ息子が、お染の思い出を探して
北一のとこまでやってきます
養子に出され、町医者となり、養父母の通りに貧乏医者で子だくさんで
そんな実の息子のために、死が近かったお染は金を渡してやりたくて
それをおたまに邪険にされて、火付けしたのね。
菊池順庵先生
これからの、シリーズに出てきそうね
って感じで読了
分厚い一冊でしたが、面白かったので一気読みでした
おし
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posted with ヨメレバ
宮部 みゆき PHP研究所 2024年10月17日頃
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