祇園会(新吉原裏同心抄)(4) 佐伯泰英 最新刊で最終巻のネタバレ注意。次はシリーズ新章!

大好きなシリーズですが

なんと、次巻は(5)ではなくて、シリーズ新章ですって!

最初の全25巻で裏同心シリーズ落着かと思いましたが

吉原裏同心抄の全6巻で、幹次郎のとこに麻(薄墨太夫)が、側室待遇?というか、妻の妹待遇で同居することとなり

新・吉原裏同心抄(現在のシリーズ)で、幹次郎と麻は京都に行きました。

で、吉原を留守にしている間に大事件勃発で

麻だけおいて、江戸に幹次郎が戻るのが本作。

でもって、幹次郎江戸帰還編、でシリーズ新章が立つようです。

佐伯泰英先生、ご高齢で、連載シリーズのたたみに入っていたはずが

ここんとこの本の売れ行き冬の時代、ってことで

出入りの出版社さんが泣きついたんだろうな~。

先生、休ませてもらえません。引退できません。

読者としてはありがたいですけどね。

平岩弓枝先生とか、ちょっと、長いのがきつくなってるし

亡くなっていく時代劇作家さんも、最近多いから・・。

ということで、新章前の最終巻は、こんな感じでした(^^)

1章、やり手紗世

2章、切符入

3章、疫病神の伝吉

4章、闇の闇

5章、神事と異変

終章

現在、お江戸吉原には、老舗を密かに書いとる勢力がいます

佐渡の金山、という資本力を背景に

幕閣が噛んで、吉原という巨大経済圏を自分のものにしたい。

幹次郎は、次代の会所頭取、ということで、現在の7代目が推してますが

重鎮たちの反対も多々あり、時間を置く、ついては修行もするってことで

汀女を吉原において、麻と一緒に京都の祇園に出向?中です。

で、幹次郎がいない間に

武力的にマイナスになっちゃってるから、人が沢山死にます・・。

女裏同心の澄乃も頑張ってますが、まだまだです・・。

女として、やり手とかとの会話がはずむ澄乃ですが

老舗のやり手女が、どんどんやめていくのを聞きつけます。

敵は、やり手から情報を得て、無理買いする店を選んでいるのね。

で、お紗世は、やり手でありながら、高級長屋の持ち主になっている。

どう高級か、というと、花魁を落籍できる、それなりの店の主が

花魁(愛人)を住まわせるための長屋です。

今でいうと、麻布とか六本木当たりのこじゃれたマンションだな。

これを一棟持ちしてるの。すごい

2章は京都の話

祇園祭に、幹次郎の旧藩の連中がいて、いろいろ構います。

放置していてもいいのですが、いちおう親切心で

麻薬(’アヘン)はバレてるぞ、手出しするなや、と言いますが

もともと下級武士だったからね、馬鹿にされてます

さらに、アヘンは薩摩と内裏の闇の親玉が手を結んで転がしているので

こいつらが、幹次郎を狙います。

まぁ、最初は、祇園経済界の幹事商人を殺して回っていて

それを幹次郎が阻んので、幹次郎が狙われてるんだけどね。

さて、この章では吉原の話も入ります。

やり手がどんどん辞めてるんですが

そのうちの一人が土座衛門となり、桑平がひっかけます(釣りしてたの)

澄乃は身代わりの佐吉とかにも助けを求めます。

佐吉は仕事で小伝馬町の牢にいたんですが、話屋っていう情報屋に

話を買ってくれ、って申し出られます。

佐吉は無言を通して、牢を出ますが、その次の夜に話屋は縊り殺されます。

やり手や話屋は三味線の弦で殺されてまして

その殺し方が、疫病神の伝吉の仕業、ってことで、こいつのヤサを急襲します。

一方、紗世の金づるを探していると、家斉側御用取次・朝比奈、の名前がでます。

幕閣ですね。

で、お紗世が妾長屋の花に文箱を預けていて、それを四郎兵衛は預かって

花の部屋に誰かが押し入り、殺されるかもしれない、って

その日のうちに、花を転居させます。

京都祇園では、祭りに薩摩藩の芋侍が暴れそうだったので

幹次郎が瞬殺してますね

4章では、吉原話が最初です。

京都から、三井越後の中興の祖と呼ばれる楽翁が江戸に戻り

京都での幹次郎、麻の話をしてくれます。

さて、吉原の大店でありながら、子供を人質にされて吉原を出ていった俵屋の

子供二人の行方が、澄乃と新之助の探索で知れました。

で、子供二人を連れ戻り、下手人の見張り夫婦を置いておきましたが

翌日、切り殺されてました。

祇園では、祭りの間、清く正しくいきるべきなのに

妾の家にいた祇園の旦那衆・中兎が、殺されました。

その凶器は、内裏の殺し屋のもんでして、いよいよ、そいつと幹次郎の勝負となります。

そして江戸では、四郎兵衛がかどわかされて消えます。

5章では、四郎兵衛を拉致ったのはお紗世一派だと知れ

利用されたやり手たちは、すべて殺した、って紗世がいいます。

そして、京都では幹次郎が薩摩の下士を返り討ちにし

江戸からの使者で、四郎兵衛が殺されたと知り

麻を残して、京都から江戸へと走り戻っていきます。

ってとこで、本作終了。

江戸と吉原、いったりきたりの描写は

読んでいてけっこう大変でした。

幹次郎たちが京都に行ったのは面白かったんですが

やっぱり、事件は一冊に3つくらいじゃないと

真剣に読まないとわけわからなくなるから

時間つぶし、にならないのだわ(><)

ということで、文庫の帯に「2021年10月、新章突入」とありましたので

新刊を待ちたいと思います。

祇園会posted with ヨメレバ佐伯泰英 光文社 2021年03月10日 楽天ブックスAmazonKindle

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