任侠浴場(任侠シリーズ4) 今野敏 推し本。私の感想レビュー備忘録。今度は銭湯の経営立て直し。

推し本。

大好きな任侠シリーズの4冊目です。

実は私、このシリーズでは、この本を一番最初に読んでます。

にっぽん丸、って客船の図書館にあったんですよ。面白くて一気読みしました。

東京に戻ってから、シリーズを1巻から追いかけてます。

現在、シリーズは6巻まで出てます(^^)

任侠浴場 (中公文庫 こ40-38) [ 今野 敏 ]

任侠シリーズ | 推し本探ブロ 任侠シリーズ既刊の、感想レビュー備忘録。

今野敏 | 推し本探ブロ 今野敏既刊の、感想レビュー備忘録。

任侠浴場 ネタバレ注意

ヤクザのシノギに、借金のたまった物件を安く買いたたき

それを損切含めて売却して、利益をだす、というのがあります。

阿岐本組は、小さなヤクザの組ですが

小さいからこそ、広域指定をされず、ほそぼそ生き続けてます。

大きなシノギができないせいか、阿岐本組長は

知り合いが損切にためらうような訳あり物件を、拾ってくるクセがある。

親がヤル、と言ったら、子供は逆らえない。

ということで、部下三人を抱える代貸の日村は、中間管理職のように

走り回ります。

赤坂に永神組を持つ、永神は、阿岐本の五厘下がりの弟分で

この人が、ちょっと困った債権を抱えると

阿岐本兄貴に相談する。

で、阿岐本がそれを引き受けるので、日村がはしりまわる、というパターンで

今回持ち込まれたのは「つぶれかけた銭湯」でした。

債権がまとまり、売却すればいいけど

今の暴対法だと、ヤクザが不動産売買にはかかわれない

ここで利益を抜いたりするシノギが、多かったからね

で、つぶして売れないなら、再建できないか

阿岐本組には、出版社、学校、病院を立て直した実績がある、ってことで

三人の親分が再建したい、って方向で走り出し

実行部隊の日村は、また胃痛の日々ですね

浴場を勉強するために、一家で道後温泉へ旅行です

日村は貧しい生まれだったので、温泉は初めてでしたね

もんもんを背負ったりしてるから

個室にするとか、ちょっとグレードアップして

で、スナックで親分と日村が飲んでたら

地元のヤクザと遭遇ですね。

地元のヤクザの丸山は、地上げがちょっとごたついて困ってた

で、阿岐本がアドバイスするんですが

丸山にアドバイスしてるうちに、銭湯付近でうろつく刑事の意図がわかってきた

蛭田がうろつくのは、銭湯を売却させたくない、って動き

赤坂の一等地の風呂屋だから、広くておいしい物件なのに

暴対法で縛って、売らせないようにしてるのはなぜか、ってことで

隠された利権があるかもしれない、ってね

掃除から始める阿岐本一家です

学園も病院も、掃除が最初でしたからね

高校一年生の息子は

阿岐本組に出入りする、かわいい女子高生の香苗が

風呂屋の受付に座る、ってきいて、自分も受付をやり始めます

大学生の娘の美鈴は、阿岐本組のフェロモン男・真吉が気になるようで

親が言っても手伝わなかったのに、手伝い始めます

ボイラー室のじいさんは、自分の持ち場が侵害される、と怒鳴って威嚇しますが

若い者をこき使え、って親分にいわれ、身内二人にも動いてもらう、って言われ

びっくりしながらも受け入れます

浴場の富士山の絵、って一日で描き終わるのね

すごい

浴場が減っていくと利権が減るいろいろが

空回りしての締め付けだったので

阿岐本が大物政治家を呼び出し、言質を一言とったら

刑事は去り、浴場連合の人とは和解できました

阿岐本親分は、立て直しのコンサルをした、ってことで

さくっと浴場から手を引きます。

浴場を始末して金に換えるのではなく

地域のコミュニティとして存在させる

言い終わり方でした。

推し

任侠浴場

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今野 敏 中央公論新社 2021年02月25日

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