朱華姫の御召人(上) 白川紺子 推し本。私の感想レビュー備忘録。御落胤の蛍を愛する呪われ第二皇子。

推し本。

作家買いです。

2014年にコバルト文庫で出たものを再販。

この作者の出世作の「後宮の烏」より前の作品ですが

神々の喧嘩に人が巻き込まれる、ってのは似てるかな。

面白かったです。

朱華姫の御召人 上 かくて愛しき、ニセモノ巫女 (集英社文庫(日本)) [ 白川 紺子 ]

白川紺子 | 推し本探ブロ (veteranmama.com)

朱華姫の御召人(上) 目次

1,にせもの巫女の事始め

2,はがねの皇子

3,蛇の窟

4,見えない傷あと

5,寿ぎの巫女

朱華姫の御召人(上) ネタバレ注意

後宮に働いていた蛍の母ですが

先代の帝も、その血族も皆殺しとなり

その後、現在の遠縁の皇族が帝となってます。

母の兄は、自分が悪党で出世できなかったのに

それを、後宮から戻ってきた母と、その後に生まれた蛍のせいにして

下女のように扱ってました。

ある日、森で下女仕事をしていた蛍を

助けてくれたイケメンがいました。

名前も知らずに別れたんですが

その後しばらくして、蛍に「巫女」の命が下ります。

国家を守る神様のための巫女「朱華姫」

現在の帝は、外様からの抜擢だったので

旧の貴族たちと反目していて

力関係から、背景のなんにもない蛍を、朱華姫に据えたのね。

朱華姫は、神様に愛でられる乙女で

連れていかれぬように、人間界に夫がいる、って設定になっていて

それが帝の第二王子、ってことで(世継ぎを仮にも巫女の夫にできない)

第二皇子の名前は柊、森で蛍があったイケメンでした。

柊は蛍を守る「御召人」に任ぜられ、律儀に守ってくれまして

蛍もそれはうれしいのね

柊は、子供のころは怪我をしたけど

今は、肉体のケガが瞬時に治るという加護があり

でもその加護が黒い霧だから、呪い、とも言われて敬遠されてます。

そんな中で蛍は、柊の霧を見ても嫌がらないし

人のやさしさに飢えていた柊は蛍に惚れこみます

第一王子の萩(しゅう)は、人をからかって遊ぶ悪癖がありますが

婉曲ではありますが、蛍に忠告とかしてくれます。

ただ、それは内通者をおもんばかって、とっても遠回りなので

貴族的言い回しになれない、蛍にはほぼ分からない・・。

イト、という、本来の朱華姫候補だった大臣の娘がいて

この人は、ほんとに気高い人だもんだから

突然主命で朱華姫になった蛍を、田舎もの、とは思っていても

いじめたりはしない。

かえって、自分を納得させるだけの朱華姫になれ、と蛍のお尻を叩きます。

岩から川に飛び込むのが、蛍のお気に入りなんですが

それが効果のある禊、ってなぜか周知されちゃって

巫女たちは川へと移動して、禊します

その帰りに、蛍が襲われ、柊が身一つで殿となって守り抜きます

無事に戻り付き、蛍が、母がくれた笛を吹き

柊が琵琶を弾き、合奏すると、神のみくらのある池で波紋が広がります

神様が喜んでいる、って

でも、二人には神様は見えない。

蛍は、自分が、帝が敵をあぶりだすための囮の偽り巫女、だと思ってるからね。

結果的に、敵はあぶりだされ

敵の側にいた黒い影が帝や蛍に襲い掛かり

柊が応戦するけどあぶなくなったので、蛍が柊の刀を掴んでその目をぶっさします。

闇は消えたんですが

その時、世界の音が消えて、そこには国家鎮守の神様である「ちよりのかみ」が

神は、それは一族の名前で、私の名前はユギだ、って

蛍がその名を呼ぶと、ほんとにうれしそうに笑うのね。

イケメンの笑顔は最強

で、穢れの名前はカクヤ

神を呼べ、というユギの言葉を柊に伝えると

柊は先代の朱華姫からもらった太刀を寿ぎ、そのタチで穢れの蛇を一刀両断

穢れは消えて、人々は、朱華姫の力にひれ伏します

16年前に紛争の中で失われた神器とは

蛍が母にもらった笛のことでした。昔、ユギ神様が巫女にあげたもの

で、寿ぎとして、神が真名を教えてくれた、ってことね

連れて帰られないように、ちゃんと側にいなさい、って帝が言い

蛍が取られそうで不機嫌な柊皇子さまです(^^)

ってとこで上巻終了

朱華姫の御召人 上 かくて愛しき、ニセモノ巫女

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白川 紺子 集英社 2022年09月16日

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